【旅景】老舗ホテル『ホテル・コンチネンタル・サイゴン』〔ベトナム/ホーチミン〕<Kids>

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夜、ライトアップされる老舗ホテル『ホテル・コンチネンタル・サイゴン』

老舗ホテル『ホテル・コンチネンタル・サイゴン』〔ベトナム/ホーチミン〕

どんな都市であっても夜の散歩は気持ちが晴れる。

散歩の道すがら、ホーチミン市の中心部に、堂々とそびえ立つ金色に輝く優美な建物が目に入る。

これが、1880年創業の『ホテル・コンチネンタル・サイゴン』である。フランス人建築家によって設計され、ホーチミンでも最も古いホテルの一つとして知られている。

このホテルは、かつてフランス統治時代の上流階級や作家、ジャーナリスト、外交官など、多くの著名人が滞在した歴史を持つ。近代的な高層ホテルが立ち並ぶ中、この建物は時を超えたクラシックな美しさを保ち続けている。

ホテルのロビーに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは巨大なシャンデリア。その柔らかな光が、天井の装飾を美しく照らし出す。高い天井には繊細な彫刻が施され、まるで宮殿の一角に足を踏み入れたかのような錯覚を覚える。

壁や通路、床やドア、そして多くの備品に温かみのある木材がふんだんに使われており、落ち着いた雰囲気の中に贅沢さが漂っている。窓からはホーチミンの街並みが広がり、かつてのコロニアル時代の名残を今に伝えている。

宿泊客は、この歴史と品格を兼ね備えたホテルで、まるで19世紀のヨーロッパにいるかのような気分を味わうのだろう。朝食の時間には、中庭に面したレストランで、クロワッサンと濃厚なコーヒーを楽しむ。その姿は、まるで映画のワンシーンのようだ。

夜になると、バーにはクラシック音楽が流れ、ワインを片手に語らう人々の姿が見える。ここでは、単に宿泊するだけでなく、その空間自体が一つの文化体験そのものなのだ。

しかし、「そんなところに泊まれていいな」とは言わないでほしい。私が泊まったのは、この豪華なホテルとはほど遠い近所のこじんまりとした安ホテルだったのだから。

この街の多くの老舗ホテルと同様に、サイゴンという旧南ベトナムの首都名を冠した私の安ホテルの宿泊費は、コンチネンタルの半分以下だった。

部屋は狭く、装飾もシンプルなものだったが、ベッドは清潔で快適だった。私は、それで十分だった。

窓の外にはホーチミンの喧騒が広がり、バイクのクラクションや屋台の活気ある声が夜遅くまで響いていた。ときには「社長さ~ん」という日本語まで聞こえる。そこに漂う庶民の暮らしの香りを楽しめた。

ホーチミンの街を歩くと、コロニアル調の建物が多く目に入る。『ホテル・コンチネンタル・サイゴン』だけでなく、市内にはフランス統治時代の建築が今もたくさん残っており、旧サイゴンの名残を色濃く伝えている。

特に市民劇場や中央郵便局、ノートルダム大聖堂などは、まるでパリの街角を歩いているかのような錯覚を覚えるほどだ。これらの建物の存在が、ホーチミンがかつて「プチ・パリ」と呼ばれた所以なのだろう。

だが、この街の魅力は単にフランス建築の美しさだけではない。東洋と西洋が見事に融合した独特の雰囲気が、ホーチミンを特別な都市にしている。

フランス様式の建物のすぐ隣には、活気あふれる市場やベトナム伝統の屋台が並び、香辛料の香りがプンプンと漂っている。フォーの湯気が立ち上る食堂には、地元の人々が集まり、笑顔で食事を楽しんでいる。その風景の中に身を置くと、まるで異なる時代や文化が共存しているかのような感覚にとらわれる。

そんなホーチミンの街並みを歩きながら、私はふと思った。もしコンチネンタルのような豪華なホテルに滞在していたら、この街の本当の姿は見えなかったのではないか。

宿泊した安ホテルの前で知り合ったガム売りの少年との交流を今でもよく思い出す。ロビー前で待機するバイクタクシーのおじさんやホテル前の通りでココナッツジュース売りのお兄さんとの会話も。

華やかな歴史と庶民の息遣い、その両方を感じられるのがホーチミンの魅力なのだと改めて実感すると共に、ベトナムへの再訪を心に誓った。

歴史ある『ホテル・コンチネンタル・サイゴン』とにぎやかな街並み〔ベトナム/ホーチミン〕<Kids>

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どんな街でも、夜のお散歩ってワクワクするよね!

ホーチミン市の中心部を歩いていると、目の前に金色に輝く大きな建物が現れた。

「すごい!なんだか宮殿みたい!」

これが1880年創業の『ホテル・コンチネンタル・サイゴン』だ。フランス人の建築家が設計した、ホーチミンで最も古いホテルのひとつなんだって。

このホテルには、昔フランスがベトナムを統治していた時代に、作家やジャーナリスト、外交官といった偉い人たちがたくさん泊まっていたらしい。今では近代的な高層ホテルが増えてきたけど、コンチネンタルはずっと変わらない美しさを保ち続けているんだ。

ロビーに足を踏み入れると、まず目に入るのが大きなシャンデリア!

キラキラと輝く光が天井の美しい装飾を照らしていて、まるで映画のワンシーンみたい。壁や床、ドアにも温かみのある木材がふんだんに使われていて、とても落ち着いた雰囲気だったよ。窓からはホーチミンの街並みが見渡せて、まるで時間が止まったみたいな気持ちになる。

「こんなホテルに泊まったら、まるで19世紀のヨーロッパにいるみたいな気分になれるんだろうなぁ」

…なんて思ったけど、実はぼくが泊まったのは、コンチネンタルじゃなくて、近くの安ホテル。

コンチネンタルに比べたら、宿泊費は半分以下なんだよね。でも、部屋は清潔でベッドも快適だったし、何よりホーチミンの街のリアルな雰囲気を感じることができたんだ。

窓の外からは、バイクのクラクションや屋台のにぎやかな声が夜遅くまで聞こえてきた。時々「社長さ~ん!」なんていう日本語も聞こえてきて、ちょっと面白かったよ。もの売りの子どもやお兄さんなんかが日本人に声をかけるとき、おもしろおかしく声をかけて注意をひくんだ。

ホーチミンの街を歩くと、フランス統治時代の名残を感じる建物があちこちに残っている。『ホテル・コンチネンタル・サイゴン』だけじゃなく、市民劇場や中央郵便局、ノートルダム大聖堂なんかも、まるでパリにいるみたいな雰囲気!だからホーチミンは「プチ・パリ」なんて呼ばれることもあるんだ。

でも、この街の魅力はフランスの美しい建物だけじゃない。

そのすぐそばには、活気あふれる市場や屋台がずらりと並び、スパイスの香りが漂っているんだ。フォーの湯気が立ち上る食堂には、地元の人たちが集まって、ニコニコしながら食事を楽しんでいる。ベトナムにはおいしい食べ物がたくさんあってね、何を食べるか本当に迷ってしまう。

ホーチミンの街にいると、つくづく「ここでは昔と今、西洋と東洋が混ざり合っているんだなぁ」と感じるよ。

「もしコンチネンタルに泊まるような豪華旅行をしていたら、この街の本当の姿は見えなかったかもしれない…」

そんなことを考えながら、安ホテルの前で知り合ったガム売りの少年のことを思い出した。一生懸命に働いていたっけ。ロビー前で待機するバイクタクシーのおじさん、ココナッツジュースを売り歩いていたお兄さんとの会話も、この旅の大切な思い出になったんだよね。

華やかな歴史と、にぎやかな庶民の暮らし。その両方を感じられるのが、ホーチミンの魅力なんだ!

またいつか、再びこの街を訪れるチャンスがあるといいなぁ。

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