【旅景】異国の地ラオスを走る若草色のバス〔ラオス/ビエンチャン〕<Kids>

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京都の人なら一目でわかる日本製のバス車両

異国の地ラオスを走る若草色のバス〔ラオス/ビエンチャン〕

初めてラオスの首都ビエンチャンに足を踏み入れた。熱帯特有の湿気を帯びた空気が肌にまとわりつき、遠くからクラクションの音が絶えず響いてくる。

空港から市内へ向かう車の窓越しに、異国の街並みを眺めていた。ゆったりと流れるメコン川、寺院の黄金の屋根、通りを行き交うバイクの群れ。その中で、ふと目に留まるものがあった。

どこか懐かしいデザインのバスが交差点で停まっている。若草色のボディに緑のラインが走るそのバスは、どこか見覚えのあるものだった。よく見れば、京都市バスそっくりではないか。いや、そっくりというよりも、そのもののように見える。思わず目を凝らす。

「京都市バスにそっくりなバスが走っているなんて、不思議だな。」

まもなく、その謎は解けることになった。研修の一環で、ビエンチャンのバス公社を訪れた際、街で見かけたものと同じバスが何台も並んでいるのを見つけた。どうしてここに京都の市バスがあるのか——。バス公社の職員に尋ねると、すぐにその答えが返ってきた。「これは京都市がビエンチャンに寄贈したものですよ」と。

なんと、見た目だけではなく、本当に京都で使われていた市バスそのものだったのだ。日本国内で役目を終えたバスが、遠く海を越えてラオスの地で第二の人生を送っていたのである。バスの前面には「From Kyoto, Japan」と記されたプレートがしっかりと取り付けられていた。

バスの車内に足を踏み入れると、日本語の案内シールがそのまま残っており、座席の配置やつり革の形まで京都市内を走っていた頃のままだ。かつて日本の通勤客や観光客を乗せていたこのバスが、今はラオスの市民の足となっていることを思うと、不思議な縁を感じる。

ビエンチャンでは、JICA(国際協力機構)がこのバス公社の支援を行っているという。公共交通網の整備が遅れていたビエンチャンでは、市民の多くが移動手段としてマイカーやバイクを利用していた。しかし、渋滞の深刻化や環境問題を受けて、バスの利便性を向上させるプロジェクトが進められている。JICAの支援のもと、バス運転手の待遇改善や路線の整理、時刻表の導入などが進められ、乗客数の増加を目指しているのだ。

さらに、公共交通の重要性を市民に知ってもらうためのPR活動も積極的に行われている。アンケート調査によると、約9割の市民が「公共交通は渋滞の削減に有効であり、環境にも良い」と認識しているという。そして、ほぼ全員が「今後バスを利用したい」と回答していた。

かつて京都を走っていたバスが、ビエンチャンの街で新たな役割を果たし、人々の暮らしを支えている。このプロジェクトが成功すれば、今後ラオス全土へと公共交通網の整備が広がっていくかもしれない。

大学時代を京都で過ごし何度も若草色の市バスのお世話になった私にとっては、非常に感慨深い出会いとなった。

City 2 バスサービス開始と新たなバス路線の開通式〔JICA公式ウェブサイト〕
https://www.jica.go.jp/oda/project/1500232/news/20180111.html

京都の市バスがラオスの街を走ってる!?〔ラオス/ビエンチャン〕<Kids>

キッズのみなさんへ

<Kids>はキッズと読むよ。「子ども」という意味。大人の文章はちょっと固くて読みにくいよね。<Kids>の表示がある文章は、小学生や中学生でも読みやすい文章にしているよ。これからキッズのみんなに読んでほしい記事をたくさん書こうと思ってるからときどき遊びに来てね。検索窓に<Kids>または<キッズ>と入れてキッズ向けの記事を探してね。くまの先生より

初めてラオスの首都・ビエンチャンに降り立った。モワッとした熱帯の空気が肌にまとわりつき、遠くからクラクションの音が聞こえてくる。

空港から市内へ向かう車の窓から、初めて見る街の景色を眺めていた。ゆったりと流れるメコン川、黄金に輝く寺院の屋根、そして道路をびゅんびゅん走るバイクたち。そんな中、ふと目に留まるものがあった。

交差点で停まっていたのは、どこか懐かしい若草色のバス。よく見ると、京都の市バスにそっくり……いや、それどころか、そのもののように見える!

「えっ、なんで京都の市バスがラオスを走ってるの?」

不思議に思っていたら、すぐにその謎が解けることになったよ。

研修でビエンチャンのバス公社を訪れたとき、街で見たのと同じバスが何台も並んでいたんだ。バス公社の人の話によると、「これは京都市がビエンチャンに寄贈したものですよ」ということらしい。

そう、このバスは本当に京都で使われていたものだったんだ!

役目を終えた日本のバスが、はるばるラオスまでやってきて、第二の人生(バス生?)を送っていたんだね。バスの前には「From Kyoto, Japan」と書かれたプレートまで付いていた。

実際にバスの中に入ってみると、日本語の案内シールがそのまま残っていたし、座席やつり革の形も見覚えのあるまま。かつて京都でたくさんの人を乗せていたこのバスが、今はビエンチャンの人たちの大切な移動手段になっていると考えると、なんだか少し嬉しいような不思議な気持ちになったよ。

実は、ビエンチャンではJICA(国際協力機構)がバス公社を支援しているんだって。ビエンチャンではこれまで、多くの人がマイカーやバイクで移動していたけど、渋滞がひどくなったり、環境への影響が問題になったりして、公共交通を整備するプロジェクトが進められているんだ。

JICAの協力で、運転手さんの待遇がよくなったり、バスのルートが整理されたり、時刻表が作られたりして、少しずつ便利になっているらしいよ。さらに、市民に「バスに乗ると便利だよ!」って知ってもらうためのPR活動も進んでいるんだって。

市民アンケートでは、9割の人が「公共交通は渋滞対策や環境保護に役立つ」と考えていて、ほとんどの人が「今後はバスを使いたい」と答えていたんだ。これからもっとバスが普及すれば、ラオス全体に公共交通が広がっていくかもしれないね!

大学時代、京都で何度もお世話になった若草色のバス。まさかラオスで再会するなんて思ってもみなかったけど、こうして新しい場所で人々の役に立っている姿を見て、なんだか感慨深い気持ちになったよ。

City 2 バスサービス開始と新たなバス路線の開通式〔JICA公式ウェブサイト〕
https://www.jica.go.jp/oda/project/1500232/news/20180111.html

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