【旅景】穏やかな風景、穏やかな人々〔ミャンマー/ヤンゴン〕<Kids>

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マーケットのショップでミシンを使う女性

 

 

穏やかな風景、穏やかな人々〔ミャンマー/ヤンゴン〕

ミャンマーを初めて訪れたとき、最初に目に入ったのは、人々の顔に独特のペインティングが施されている光景だった。

子どもから大人まで、街を歩く多くの人々の頬や額には、淡い黄色の模様が塗られている。

何か特別な日なのだろうかと不思議に思いながら、空港からダウンタウンへ向かうタクシーの車内で運転手に尋ねてみた。「今日はお祭りか何かですか?」

運転手は笑いながら、「あれはタナカというんですよ」と教えてくれた。「タナカは木をすり潰して作るもので、冷たくて気持ちがいいし、肌にもいいんです。日焼け止めの役割もあるし、美容にも良いんですよ」と説明してくれた。

化粧品のような用途だけでなく、健康や伝統文化の一環として、ミャンマーでは広く使われているらしい。特に女性や子どもたちが好んで顔に塗ることが多く、中には花や葉の形を模したアートのように美しく塗られた顔も見かけた。

ダウンタウンに近づくと、黄金に輝く仏塔がいくつも見えてきた。ミャンマーではこれらの仏塔を「パゴダ」と呼び、人々が熱心に祈りを捧げる神聖な場所となっている。

パゴダの周囲には、托鉢を行う僧侶の姿があり、参拝に訪れる人々は穏やかな表情で静かに手を合わせていた。その光景を見ていると、信仰が生活の中に深く根付いていることが伝わってきた。仏教が国の文化や価値観に与えている影響の大きさを改めて実感する。

街を歩くうちに、私は一人の親切な男性と話す機会を得た。お互いに自己紹介を交わしていたのだが、どうしても彼の名字を聞くことができない。

「なぜ教えてくれないのだろう?」と一瞬不審に思ったのだが、さらに話を聞くと、ミャンマー人にはそもそも“名字”という概念がないのだという。名前は基本的に一つだけで、家族間で共通の名字を持つ文化が存在しないのだ。

これは驚きだった。私たちが当たり前のように持っている名字というものが、ミャンマーでは不要とされている。その代わり、人々は名前の響きや意味、さらには生まれた曜日などによって名付けられることが多いらしい。

例えば「ミン」という名前は高貴な意味を持ち、「チョー」は優しさを表すといった具合に、名前一つ一つに意味が込められているのだ。

ミャンマーの街並みには、古き良きアジアの風景が残っている。露店では揚げバナナや焼きとうもろこしが売られ、通りの端には手作りの土器や織物を並べた小さな店が軒を連ねる。子どもたちは裸足で駆け回り、人々はお互いに微笑みながら穏やかに暮らしている。アジア最後の秘境と呼ばれる所以だろう。

こうしてミャンマーの街を歩きながら思った。世界にはまだまだ自分が知らない文化や習慣があふれているのだと。何気なく目にするもの一つひとつに、長い歴史や深い意味が込められている。タナカの黄色い模様、敬意を示すパゴダでの祈り、名字を持たない人々の文化──どれもが私にとって新鮮な発見だった。

まだまだ世界は不思議に満ちている。そして、その不思議を知るたびに、旅の魅力が増していく。

穏やかな風景、穏やかな人々〔ミャンマー/ヤンゴン〕<Kids>

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ミャンマーに初めて訪れたとき、まず目に入ったのは、人々の顔に不思議な模様が描かれていることだった。

「なんだろう? お祭りの日なのかな?」

子どもも大人も、ほっぺやおでこに淡い黄色の模様をつけている。気になって、空港からダウンタウンへ向かうタクシーの運転手さんに聞いてみた。

「これはタナカっていうんですよ!」

タナカは、木をすりつぶして作る特別なペースト。ひんやりして気持ちいいし、日焼け止めや美容のためにも使われるんだって。ミャンマーの人たちは、昔からこれを顔に塗る習慣があるらしい。中には、花や葉っぱの形にアートみたいに塗っている人もいて、すごくおしゃれ!

タクシーが街に近づくと、金色に輝く仏塔がいくつも見えてきた。ミャンマーでは、こうした仏塔を「パゴダ」と呼び、人々が熱心に祈る神聖な場所なんだ。

パゴダの周りでは、お坊さんたちが托鉢(たくはつ)をしていて、参拝に来た人たちが静かに手を合わせている。その姿を見て、「ミャンマーの人たちにとって、信仰は日常の一部なんだなぁ」と感じたよ。

それから、ある親切な男性と話す機会があってね、自己紹介をしていたのに、彼の“名字”を聞くことができない。

「どうしてだろう?」と思って聞いてみると、びっくり!

ミャンマーには、名字の文化がないんだって!

人々は名前だけで呼ばれるのが普通で、家族みんなが同じ名字を持つことがないんだとか。その代わり、名前には特別な意味があって、生まれた曜日や願いを込めてつけられることが多いらしい。たとえば「ミン」は高貴な意味、「チョー」は優しさを表すんだって。

街の中には、昔ながらのアジアの風景が広がっていた。屋台では揚げバナナや焼きとうもろこしが売られ、道端には手作りの土器や織物を並べるお店が並んでいる。子どもたちは裸足で元気に走り回り、大人たちはお互いに笑顔を交わしながらおだやかに暮らしている。

こうしてミャンマーを歩きながら思った。

「世界には、まだまだ知らない文化や習慣がたくさんあるんだなぁ。」

タナカの黄色い模様、パゴダでの静かな祈り、名字を持たない人々──すべてが新しい発見だった。

まだまだ世界には、不思議なことがいっぱい。

そして、その不思議を知るたびに、旅の魅力がどんどん増していくんだ!

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