身近でパワーのある「写真教材」(フォト)を活用する
デジカメやカメラ付きのスマホが生活の一部になっている今日、私たちは日常的に多くの写真を撮影しています。そうやって何気なく撮影された写真でも「教材」として立派に活用できます。
写真には子どもを惹きつけるパワーがあります。写真にはストーリーがあります。そして味わいがあります。「写真」の魅力を教材に練り込むことにより、より楽しく面白い授業が展開されることでしょう。
特に、英語科・社会科・国際教育などにおいては「写真教材」の有用性はきわめて高いと言えるでしょう。
共感的・創造的な参加型の活動「フォトランゲージ」
「フォトランゲージ」という写真を利用した学習法があります。
写真を見て、「場所はどこか」、「写っている人はどんな気持ちなのか」ということについて想像・予測したり、地理的・文化的な手掛かりを探したり、写真に物語を当てたり、簡単なタイトルを付したりと、写真をもとにいろいろな活動を展開する参加型の学習です。
写真から読み取れるいろいろな情報を交流することで、自分と他人の「ものの見方の違い」や「感じ方の違い」に気づかされることも多々あります。自分の視野の狭さや観察における不完全性に気づかせてくれることもあります。
同じ写真から生まれるいろいろなストーリーを味わうことで、コミニケーションの面白さや奥深さを再認識できる活動でもあります。
すぐにできる帯活動での「フォト活動」
英語の授業で単語カードの代用としてフォトカードを利用することがあります。
これまで撮影した写真から時期・学習進捗・生徒の関心などから使う写真を選びます。
授業冒頭の帯活動(単語練習・会話練習)で、例えば最もシンプルなパターンであれば「What's this?」に対して生徒が「It's a taxi.」などと答える方法です。「Have you ever eaten this fruit?」や「Can you touch this animal?」などの色々な質問を投げかけることができます。
私は、1年生の序盤は、開始のあいさつが終わったらクリスクロスクイズで正解者から座らせるやり方を通していますが、日付・曜日・天気の質問以降は、ほぼ写真からの質問です。
写真教材を集めて、まずは1つ活動を
写真教材は、自分で撮影した写真はもちろん、絵はがきや写真集をコピーするなど比較的簡単に用意することができるので、取り組みやすい活動と言えるでしょう。
1枚の写真からでもいろいろな質問が考えられます。このブログでも紹介している「写真AU」などの素材サイトを活用すれば、手間や費用をかけずに多種多様な写真を手軽に入手できるでしょう。
まず簡単なQ&A活動から始めてはいかがでしょうか。
自分の撮影した写真以外の写真素材(雑誌・書籍・写真集等)を使う場合は、著作権法35条にご留意ください。
<写真を用いた活動のメリット>
・生徒の食いつきが良い
・寄り添った考え方・共感性が高まる
・物事の多様な見方・捉え方に気づく
・自分の見方がすべてではないことに気づく
・創造力が強化される、新しい発想を生み出す訓練になる
・写真という素材が直接的でわかりやすいために誰でも意見が出しやすい
・異学年集団でも取り組みやすい