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朝学習や夕学習に「ボキャビルブック」を使った継続的な活動【保存版】
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新年度、週2日、短時間(15分)の帯枠を英語科にいただけることになり、基礎力アップのための活動としてどう運用するか考えました。

結論として、ボキャブラリー・ビルディングの活動を考えました。毎回10個の単語を学習しながら、50回(25週)で500語の習得を目指します。

短時間の活動ですが、さらに6つのSTEPに細分化して「濃密な学習」を習慣化させ、英単語の習得と合わせて学習時の集中力アップもねらいます。

継続的に英単語を覚える時間を設定して「語彙強化」を目指す

朝学習や夕学習の時間を活用して英語の幹(the backbone of English)となる基本単語500語の習得を目指す活動の紹介です。

2020年度の頭に新コロナによる全国一斉の臨時休業があった際、生徒の家庭学習を支援するために「BB英単語道場500」を作りました。

 ★「BB英単語道場500」〔先生向け〕について詳しくはコチラをご覧ください。

 ★「BB英単語道場500」〔生徒向け〕について詳しくはコチラをご覧ください。

基本単語500語の一覧シート(A3)を浴室の壁に貼れるようにラミネート加工して全生徒に配布しました。

今回作ったものは、1回15分の短学習で10個の英単語を学習するシート『BBボキャビル・シート』です。1回15分の学習を6つの小STEPに分けて「暗記学習」を進めるものです。

<6つのSTEP>
STEP1 見て発音する<3分>〔単語を書かずに見て発音しながら覚える〕
STEP2 書いて覚える<4分>〔2,3回ずつ書く練習をする〕
STEP3 プレテスト<2分>〔すべてのスペリングを覚えているかプレテストします〕
STEP4 弱点補強<3分>〔間違った単語を再度練習します〕
STEP5 本テスト<2分>
STEP6 振り返り<1分>

アプリ「AC TIMER(無料)」を使えば、6つのSTEP終了ごとにチャイムを鳴らすことができます。アプリをインストール後、カメラで下のQRコードをスキャンしてください。6つのSTEPを設定済みのタイマーを利用できます。それぞれのSTEPが終わるごとにチャイムで合図します。

『BBボキャビル・シート』にすべての問題(500語の単語)を入れ込んだ『BBボキャビル・ブック』をつくり、冊子にして生徒に配布しておけば毎回配布する手間を省けます。

生徒の積極的な家庭学習を促すこともできますし、実施済みのシートの紛失も防げるため一石二鳥です。記録が残るのであとから振り返る際にも便利です。

すべてのシートに発音練習ページ(QUIZLET)にリンクしたQRコードを埋め込み、スマホやタブレットを持っている生徒は家庭でも単語の発音を確認したり、単語カード機能で単語を仕分けしたり、ゲームで遊びながら単語力を強化することができるようにしました。

中学校での実施を想定していますが、小学校でも「英語→日本語」とするなど形態を工夫すれば実施が可能になるでしょう。

『BB500ボキャビル・シート』のイメージ

ボキャビル・シートの画像
今回作成の15分で10語を学習するためのボキャビル・シート。
BB500一覧画像
500語を50回の学習に割り振っている一覧表。ラミネート加工してお風呂の壁に貼るのがおすすめ。
スコア記録表の画像
マーカー等で塗りつぶすタイプのスコア記録表。

ますます重要になるボキャビル、中学校での指導語数は、小学校の600~700程度にプラス1600~1800語程度に

中学校学習指導要領解説(H29)によると、指導する語数については、小学校で600~700語程度、中学校で1600~1800語程度、高校で1800~2500語程度としています。

つまり、単純計算で中学校では、2200語から2500語の語彙を指導することになります。しかも、小さい方の数字が下限を示す一方、大きい方の数字は「上限」ではなく「指導で取り扱う一定の目安となる語数」(同解説)ということなので、実際に指導する語数は、2200語というより2500語又はそれ以上の語数になるという心構えが必要になりそうです。

これまで(前回改定)の「1200語程度(中学校)」に比べ随分とボリュームアップしている印象ですが、同解説では、「小学校段階で学んだ語と関連付けるなどしながら中学校で語彙を増やしていくことを考えれば、言語活動の中で無理なく扱うことのできる程度の語数」だとしています。

つまり、これまで長い間、英語学習のスタートラインは中学校だという漠然とした感覚がありましたが、「小学校で十分に学習した」ことを大前提に中学校・高校での学習が位置づけられていることを考えると、小学校段階の英語学習がいかに重要な意味を持つか背筋がピンと伸びるような気持ちです。

小学校で英語を指導する立場では、特に、語彙面で十分な習得率を持って中学英語にバトンタッチさせる必要性を改めて感じます。

また、中学校で英語を指導する立場としては、今後いかに2200語から2500語以上の語彙を指導するか、作戦を立て準備を進めていきたいと思います。

実際の教育現場には、勉強が好きな生徒もいれば嫌いな生徒もいる。毎日宿題をこなす生徒もいれば、そうでない生徒もいます。実に様々なケースがあり、決してみんながみんな理想的な学習を展開しているわけではありません。子ども一人一人にも、学校一つ一つにも、地域ごとにも、それぞれのリアルな実情があります。

そんな実情と新指導要領に示された指導内容のボリュームのギャップに悩む教員は、きっと私だけではないような気がしています。実情に合わせて、忍耐強く指導に工夫をこらすことも教員の使命なのかも知れません。

単純な暗記学習は悪なのか?

近年、暗記学習をはじめとした注入主義に対する批判があります。もちろん、単語や熟語(連語)は、理想を言えば実際の場面を想定した言語活動で定着をさせたいものです。

しかし、妥当な割合の語において暗記的な覚え方で語彙を強化する方法は必要であり、有効であると考えます。暗記学習の中でも、ゲーム性を取り入れたりランキングなどの競争性を取り入れたりと工夫できる余地はあります。

例えば、称号付きの達成表をつくり、生徒にレベルに応じた称号を考えさせ、オリジナルの修行ごっこ的活動として楽しむ方法もあります。習得に応じて自分の称号を上書きしながら楽しめそうです。

また、ランキング方式には賛否両論ありますが、上位数名のランキングを校内に掲示する方法もあります。こうすることで、「英単語道場」のことが話題にのぼりやすくなることや英単語学習の動機付けにつながるメリットがあります。

10問の単語テストであれば、勉強が苦手な生徒にとっても一生懸命に勉強して満点が達成する可能性が十分にあります。その1回の満点が、英語学習への点火につながる可能性もあるでしょう。

いずれにしても、現実としてあらゆる教科において一定量の「暗記作業」は必要だと考えています。

効果を検証するためのアンケート

継続的に実施することになれば比較的大きな活動となります。

事後に、時間と労力に見合った効果が得られたか、改善できる点があるかなどをアンケート等で検証できればよりよい取組につながるでしょう。

下に示すアンケート例も参考にしていただければと思います。

<事前アンケート>
①英語に興味がありますか。
②学校や家庭で英語を学習することは楽しいですか。
③英単語や英文を書くことが好きですか。
④英単語を覚えることは楽しいですか。
⑤英単語を覚えることに不安感はありますか。
⑥10個の英単語を15分で覚えられる自信がありますか。
⑦友だちと英単語の問題を出題し合ったりすることがありますか。
⑧家庭で英単語学習が話題にのぼることがありますか。
⑨英単語や基本文を定期的に復習することが大切だと思いますか。
⑩英語の授業に限らず、授業時間いっぱい集中力が続きますか。

<事後アンケート>◎一定期間の経過後の事後アンケートには⑪から⑳を加える
⑪「ボキャビル学習」を通してを英単語の覚え方が身につきましたか。
⑫「ボキャビル学習」を通して自分の集中力がアップしたと思いますか。
⑬「ボキャビル学習」を通して他教科の学習について何らかの好影響が出ましたか。
⑭「ボキャビル学習」のように短時間で集中して学習する方法を他の学習に活かしていますか。
⑮「ボキャビル学習」を継続したい気持ちはありますか。
⑯「ボキャビル学習」を通して集中することで効率よく学習できるという実感が得られましたか。
⑰【使用時】スコア記録表は、学習状況の把握に役立ちましたか。
⑱【使用時】BB基本英単語500語の「一覧」は、どこで活用しましたか。
〔ファイルに入れて・部屋の壁・学習机・お風呂場・他〕
⑲【使用時】QRコードスキャンによる発音練習は便利でしたか。
〔とても便利/便利/あまり便利ではない/不要〕
⑳【使用時】「BBボキャビルブック(冊子)」を家庭で活用しましたか。
〔日常的に使った/時々使った/使わなかった〕

教材ダウンロード DOWNLOAD

「BB英単語道場」<BB500ボキャビル・シート(単体)>をダウンロードする

「BB英単語道場」<500語一覧(A3)>をダウンロードする

「BB英単語道場」<スコア記録表(A4)>をダウンロードする

『BBボキャビルブック』冊子印刷データをご希望の方

『BBボキャビルブック』(第1回から第50回をまとめたPDFファイル)

冊子印刷データ(下の「表紙データ」+「500語一覧」を含む冊子用50ページ分のシートPDF)をご希望の方はEmailページより学校名・お住まいの県名・お名前をメッセージ欄にご入力のうえご連絡ください。送信元Emailアドレスに送信させていただきます。

Emailページ

<冊子の作製方法>

◎表紙(A3)と中身(A4×50枚)、両面テープ(幅1cm)、ステープラー(中型)を準備して動画をご覧ください。

手作り冊子の作製方法〔動画〕

<表紙イメージ>

表紙画像
タイトルはBACKBONE(基幹・幹)としました。

 

 

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