私が英語を勉強してきて良かったと感じる場面。
それはやっぱり「旅」です。
英語は、旅のいろいろな場面で役立ってくれます。英語を通して、現地の人々と交流したり、未知の文化や風習に触れることができます。旅の魅力は何と言っても「刺激」です。
旅先での驚くべき出来事や新しい発見、素敵な人々との出会いは刺激的であり、私たちの好奇心を大いに満たしてくれます。
人が全くの「自由」な状態になれる機会は、定職を持って働く勤勉な社会人にとっては、「旅」以外にあまり考えられません。
いや、ひとつあります。それは、ゲームの世界。私は旅好きですが、その原点がどこにあるのか心の中で辿ってみると、おそらく、それは小学校時代に熱中したファミコンではないかと思います。
あの頃、ちょうど『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』や『MOTHER』などのロールプレーイングゲーム(Role Playing Game)が流行していました。主人公の役(Role)を演じながら(Play)楽しむゲームです。
主人公、つまり「私」や「あなた」は、自分の故郷から旅立ち、魔物なんかを退治しながら世界中の街や城を訪れます。魔物を退治することでお金や経験値を増やしながら自分を成長させていく。お金が貯まったら、新しい武器や防具を購入したり、豪華絢爛なカジノでギャンブルを楽しむこともできます。
道中には多くの出会いがあり、場合によっては、愛する人を見つけ結婚することさえあります。このような冒険がたまらなく新鮮で夜中にこっそり起き出しては冒険に繰り出しました。
さて、「旅」と「ゲーム」の世界での仮想冒険を比べるとき、2つの共通点があります。
まず、未知の世界を楽しむ点。旅をしながら、あなたは自分の知らない世界を探検する主人公となり、普段では食べられない異国の料理を楽しんだり、露店の怪しい商品を眺めながら散歩します。歩き疲れたら小高い丘の上から街の景色なんかを眺めながらお茶を飲むのも悪くありません。自分の世界が広がります。好奇心が無限に広がります。
次に、自分で意思決定する点。利用する飛行機やホテルの選択や手配は勿論、現地到着後の空港から市街地への移動、ホテルの確保、チェックイン、チェックアウト、3度の食事、観光のすべてを自分の意思で自由に決定できます。
そして、道中に起こりうるトラブルに対処するのもまた自分自身です。すべての決定権と共に、決定に伴う責任もすべて「自分」が引き受けます。これは一見面倒なことのようにも思えますが、不思議に楽しいゲームのイベントのようなものです。
すべてが「旅」という冒険の一場面で、楽しむべきイベントなのです。イベントのないゲームなんてありません。すべてを自分で決定できる自由。なかなか味わえない体験ではないでしょうか。
旅は、経験豊かな大人になるための試練とも考えられます。「かわいい子には旅をさせよ」と言います。皆さんがもう少し大人になって、世界に羽ばたく日が来るかもしれません。いや、きっと来るでしょう。
旅に限らず、外国で働くことになるかも知れません。外国の人を好きになるかも知れません。その日は、みんなが思っているより早くやって来るでしょう。今は、そういう時代です。
その時に、間違いなく役に立つのが「英語」です。ゲームの世界では異国の地でもコミュニケーションに支障はありませんが、リアルの世界ではやはりコミュニケーションのツールが必要です。言語は、強力な武器になります。
今日、いろいろな言語を翻訳できるソフトやアプリが次々と開発されています。しかし、いかに文明が発展しようとも、生身の人間が交し合う「言葉」以上に、人間をつなぐツールはないと確信します。
言語(英語)は、人が時間やエネルギーをかけてでも磨く価値のある貴重なツールだと思います。