特設授業の前日にクイズ&宿題でウォーミングアップ
世界環境デー(環境の日)の特設授業の時期がやって来ました。
多くの学校で環境月間である6月に環境教育の特設授業が行われていると思います。子どもが環境について学ぶ貴重な機会のひとつになっています。
地球温暖化について学習するケースも多く、最近ではSDGsの目標にからめて学習するパターンが増えているようです。SDGsの学びのきっかけになります。
十分な授業時数を割くことが難しい状況で1時間の特設授業で収めるケースが多いのではないでしょうか。
1時間の授業への意識を高めるために、特設授業前日の短学活で環境に関するクイズを実施した上で地球温暖化の影響について家庭で調べて来る宿題を準備しました。
ウォーミングアップクイズと宿題
【ねらい】
●6月5日が「世界環境デー」であることを確認させる。
※国内では「環境の日」と呼び、6月いっぱいが環境月間。
●地球温暖化の原因や影響について簡単に振り返り、事前に地球温暖化の影響について調べることで環境問題への意識を高める。
ウォーミングアップ環境クイズ
【第1問】
1972年にスウェーデンのストックホルムで「国連人間環境会議」が行われました。何月何日に行われたのでしょうか。
【正解】6月5日
【解説】日本の提案により国連はこの日を「世界環境デー」と定めました。日本でも「環境の日」と定めています。また6月を「環境月間」としています。
【第2問】
人間の活動によって大気中に放出される二酸化炭素などの「温室効果ガス」が原因で地球全体の平均気温が上昇している現象を何と呼ぶか。
【正解】地球温暖化
【解説】「一般社団法人日本ガス協会による地球温暖化のイメージ」を見ると、温室効果が大きいと地球の熱の宇宙への放出が小さくなることがわかります。
【第3問】
2020年の日本における最高気温は静岡県浜松市の41.1度でした。このまま地球温暖化が進むと2100年の日本では最高気温は難度に達するでしょうか。
【正解】44度~45度くらい
【解説】2019年の日本における最高気温は新潟県中条市の40.7度、2020年では静岡県浜松市の41.1度でした。毎年、少しずつ上昇しています。
【第4問】
「地球温暖化」の問題は、国連が定めた世界共通の目標SDGsの中のどの目標に深く関連していますか。教室の掲示物や資料を見てもOK。
【正解】目標13「気候変動に具体的な対策を」
【解説】SDGs目標13は、温室効果ガスの排出を原因とする地球温暖化現象が招く世界各地での気候変動やその影響を軽減することが目標です。この他にも関連する目標はいくつかあります。
〔前夜の宿題〕所要時間 約15分ほど
●地球温暖化が今どんな状況を招いているか。世界各地での影響の例を調べてみよう。
●これからさらに地球温暖化が進むとどんなことが起こるか調べてみよう。
授業前日に15分でできる『世界環境デー・クイズ』
『世界環境デー』特設授業で参考になる資料3件
6/5の特設授業で役立ちそうな題材(資料)を3つ紹介します。
【ねらい】
●地球温暖化の影響について、その深刻さに気づかせる。
●自分の行動について考えさせる。
【候補①】
「地球温暖化が進むとどうなる?その影響は?」(WWF)
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/1028.html
★2100年未来の天気予報夏(約10分)
【候補②】
「1からわかる!地球温暖化」(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji57/
1から分かる!地球温暖化(1)「パリ協定って何?」
1からわかる!地球温暖化(2)「パリ協定と京都議定書、何が違うの?」
1からわかる!地球温暖化(3)「温暖化って本当?止められるの?」
1からわかる!地球温暖化(4)「世界各国の対策、進んでる?」
1からわかる!地球温暖化(5)「日本の対策、どうなってる!?」
1からわかる!地球温暖化(6)「再生可能エネルギー、可能性は?」
【候補③】
「アフガニスタン用水路が運ぶ恵みと平和」(本編30分)(企画:ペシャワール会)
日本人医師である中村哲医師が、アフガニスタンの干ばつで苦しむ地域に用水路を建設するドキュメンタリー映像です。
やや長めの映像になりますが、干ばつのイメージが乏しい子どもにも干ばつによる被害の実情が伝わります。
また、状況の打開に挑戦する中村医師の行動力を見ることで行動することの素晴らしさや気高さが感じられる教材です。
そして、行動することで未来を変えることが可能になるという希望を感じさせてくれる教材でもあります。この教材の最大の魅力だと言えます。
本編にはいくつかの印象的な言葉があります。
「重要なのは早く水を引いて難民たちを故郷に戻すことだ。細かいことは後に回してとにかく取りかかろう」
壮大な運河計画に対してスタッフから不安の声があがったときの中村医師の言葉です。
不安の中で最初の一歩を踏み出す行動力、突き進む力が用水路の完成を実現します。それにより多くの命が救われました。
今回のコロナ事変で学校現場における授業の在り方がこれまで以上に問われる今、「まずやってみよう」という姿勢を大切にしながら新しい授業実践を重ねていこうと思います。