<AI活用>カテゴリでは、ChatGPTのプロンプトの共有を進め、教材作成や学校業務の効率化を目指します
＜ChatGPTのすすめ＞
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生徒のアイデアを反映させた物語の創作①
本日も引き続きAIの真骨頂とも言える物語の創作について試していきます。
英語の授業では、よく物語文を扱います。生徒のアイデアを取り入れながらその場で即興の物語を作りたいと思ったことはありませんか。アイデアを一旦教師が預かって、時間をかけて物語を作成することはあっても、その場で瞬時にということはこれまで困難な業でした。
AIの進歩でそんなことも可能になりつつあります。
前回、「鬼の物語」を創作しましたが、設定項目を少し増やして、そこに生徒のアイデアを入れ込む定型プロンプトを考えてみました。
以下が物語のプロンプトテンプレートになります。
[プロンプト]
◆中学校の英語の授業用に以下の設定で英語の物語を創作してください。
場所情報：物語の舞台は【①】とする。
登場人物：登場人物として【②】、【③】、【④】を登場させる。
登場物品：物語に【⑤】を登場させる。
使用文法：必ず【●●】を用いた英文を2文以上含ませる。
使用語数：【●●】語程度とする。大幅な増減がないように。
語彙難易：日本の中学生が理解可能なごく初歩的な英語でお願いします。
問題作成：物語について問う【●●】形式の問題を【●●】題作成してください。最後に正解も示してください。
追加条件：次の英単語を必ず使う。＜●●, ●●, ●●, ●●, ●●＞
物語の舞台①、登場させたい人物②③④、登場させたいもの⑤を生徒に考えさせ、プロンプトを完成させます。
登場人物の部分は、単に犬や鳥と書いてもいいですが、「犬のタロウ」や「鳥のピーコ」というように名前を入れた方が親しみがわきます。
登場物品には、登場させたいもの、例えば「ダイヤの指輪」、「秘密の本」、「一億円」などの名詞を書きます。
使用文法には、復習したい文法や今授業で扱っている文法などを書きましょう。いくつでもOKです。
語数も自由に変更できますが、中学校の授業で扱いやすいのは300語から400語でしょうか。問題をつける場合、問題の語数も含んでいます。設定する語数が少なすぎると物語が成立しないことも考えられます。調整してください。
問題が不要な場合は削除します。必要な場合は、「英問英答」、「空欄補充」、「True or False」、「本文の内容についての複数の記述から正しいものを選択する」など、いろいろな形式に対応してくれます。
追加条件は、望むことを自由に記述してください。「次の単語を必ず使う」と指示して復習させたい英単語を入力すると、それらの語が含まれた物語文が作られます。試験などで生徒の間違いが多かった語などを入れるとよい復習になるでしょう。
他に生徒が望む設定や展開があれば「追加条件」として書き込みます。「最後にどんでん返しのある物語にする」とか書くと面白いかも。
試しに、文言を入れたプロンプトで試してみます。
[プロンプト]
◆中学校の英語の授業用に以下の設定で英語の物語を創作してください。
場所情報：物語の舞台は【山奥にある小さな村】とする。
登場人物：登場人物として【猿のモンキチ】、【王様】、【美しい鳥】を登場させる。
登場物品：物語に【太陽】を登場させる。
使用文法：必ず【現在完了形（have+過去分詞）】を用いた英文を2文以上含ませる。
使用語数：【300】語程度とする。大幅な増減がないように。
語彙難易：日本の中学生が理解可能なごく初歩的な英語でお願いします。
問題作成：物語について問う【空欄補充】形式の問題を【5】題作成してください。正解も示してください。
追加条件：次の英単語を必ず使う。＜Japan, horse, move, song, under＞
[レスポンス]
The Lonely Monkey
In a small village deep in the mountains of Japan, there lived a lonely monkey named Monkichi. He had always wanted to make friends, but the villagers were afraid of him. One day, Monkichi found a golden feather on the ground. It was shining brightly under the sun.
"This must belong to the beautiful bird I have seen flying in the sky," Monkichi said to himself. "I have never seen anything so special before."
Monkichi held the feather tightly and decided to visit the king of the village. The king was a kind man who loved horses and often helped those in need. When Monkichi reached the castle, he showed the feather to the king.
"Your Majesty, I have found this feather. I believe it belongs to the bird that sings the beautiful songs near our village," Monkichi said.
The king smiled and said, "Monkichi, you have done a great thing. The bird has been looking for this feather. She has lost it and hasn’t been able to fly well since then."
With the king’s help, the feather was returned to the bird. The bird sang a special song to thank Monkichi. For the first time, Monkichi felt happy because he had made a difference. The villagers, who had seen his kindness, finally welcomed him.
Monkichi has moved into the village now, and he has made many new friends. He has learned that kindness can change everything.
Fill-in-the-Blank Questions
（1）Monkichi found a golden ________ on the ground.
（2）The king of the village loved ________ and helped others.
（3）The bird had lost her feather and couldn’t ________ well.
（4）The bird sang a special ________ to thank Monkichi.
（5）Monkichi has ________ into the village and made new friends.
Correct Answers
（１）feather
（２）horses
（３）fly
（４）song
（５）moved
全ての設定を回収してまとまりのある物語になっています。
折角なのでワードに貼り付けてワークシート化しておきます。物語に合うイラストもChatGPTに依頼します。
[プロンプト]
この物語に合う可愛いイラストを描いてください。
[レスポンス]
いい感じです。と思いきや、物語には輝く羽根が出ていましたが、なぜかモンキチが花のようなものを持っています…。惜しい。修正をお願いします。
[プロンプト]
雰囲気はそのままで、モンキチが持っている花を輝く鳥の羽根に変更してください。
[レスポンス]
なかなかいい感じのイラストが描かれました。馬の表情は最初のものが良かったけど。今回はこちらを使わせていただきます。
テキストとイラストをワードにコピペ。３分で完成です。
細かいことですが、なぜか問題の番号はコピーされないことが多いので、(１)～(５)は手打ちで入力しました。
「お猿のモンキチと黄金の羽根」のお話を音声化する
楽しい物語が完成したので、これを音声化する方法も記しておきます。
「音読さん」という便利なサイトがあるのご存じでしょうか。いろいろな言語をテキストから音声化できます。
物語のテキストを音読さんに貼り付けて言語と音声を選択し「読み上げ」ボタンを押すだけです。
音声は、言語ごとに複数の中から選択できるようになっています。
声の種類も豊富で、スピードや高低も設定可能。いろいろな楽しい活用法が考えられます。
フォーマットはMP3で、ボタン１つでダウンロードできます。
一定量は作成無料なので一度お試しください。英語科には必須ですね。
私のお気に入りの声は、女性のaria、女の子のana、それから落ち着いた男性のchristopherです。
先程の「お猿のモンキチと黄金の羽根」をanaに読み上げてもらいます。
いかがですか。可愛らしい声で、物語に合った雰囲気です。
次に、落ち着いた男性のchristopherの読み上げです。スピードは少しゆっくり目の0.6で出力したものです。
リスニングに最適な聞きやすい声質だと思います。しかも、生徒の実態に合わせてスピードも調整可能な点が嬉しいです。
いろいろな声を聴き比べるのも楽しいです。
生徒のアイデアを反映させた物語創作②
今度は未来を舞台にして、生徒たちが挙げそうなクラスの友だちの名前「ナオキ」や、未来とは真逆な語である「侍」、生徒の生活に身近なモノ「自転車」などを入れてみます。
問題形式は、英語が苦手な生徒も比較的取り組みやすい「True or False方式」を指定してみます。
そして、一見ちぐはぐな単語群＜pretty, earth, banana, dream, library＞を指定。
一体どんな物語が完成するのだろうか…。
ガッタイ！
[プロンプト]
◆中学校の英語の授業用に以下の設定で英語の物語を創作してください。
場所情報：物語の舞台は【西暦2200年の未来】とする。
登場人物：登場人物として【熊のエド】、【男の子のなおき】、【侍】を登場させる。
登場物品：物語に【自転車】を登場させる。
使用文法：必ず【比較】を用いた英文を2文以上含ませる。
使用語数：【300】字程度とする。大幅な増減がないように。
語彙難易：日本の中学生が理解可能なごく初歩的な英語でお願いします。
問題作成：物語について問う【True or False方式】の問題を【5】題作成してください。最後に正解も示してください。
追加条件：次の英単語を必ず使う。＜pretty, earth, banana, dream, library＞
[レスポンス]
The Adventure of Naoki and the Bear
In the year 2200, the Earth was very different. The cities were taller, the skies were clearer, and animals could talk. Naoki, a curious boy, loved to ride his shiny blue bicycle every day. One sunny morning, while riding near the library, he met a talking bear named Edo.
“Wow, you’re pretty smart for a bear,” said Naoki.
“Thank you! I spend a lot of time reading books in the library,” replied Edo with a smile.
Edo and Naoki became friends quickly. Naoki told Edo about his dream to explore the mountains. Edo said, “I know a samurai who lives there. He is braver than anyone I know, and he loves bananas!”
The two friends decided to visit the samurai. They rode Naoki’s bicycle together, though it was slower with Edo on the back. “This bike is faster than walking but slower than flying,” joked Edo. After a long ride, they reached the mountains and met the samurai.
The samurai welcomed them warmly. He was tall, strong, and kind. “The mountains are the most beautiful place on Earth,” he said. He showed them a hidden waterfall and shared bananas from his garden. Naoki thought, “This is even more amazing than I imagined!”
As the sun set, Naoki and Edo said goodbye to the samurai and promised to return. Their adventure had just begun, and Naoki felt happier than ever.
True or False Questions
（１）Naoki met Edo at the library.
（２）Edo could talk because he read many books.
（３）The samurai was scared of the mountains.
（４）Naoki thought flying was faster than riding a bike.
（５）The samurai shared bananas with Naoki and Edo.
Correct Answers
（１）True
（２）True
（３）False
（４）True
（５）True
お見事！指示通りの物語が完成しました。比較も随所で使われています。山に住む誰よりも勇敢でバナナが大好きな侍…。素敵です。
イラストも描いてもらいます。
[プロンプト]
この物語に合う可愛いイラストを描いてください。
[レスポンス]
なるほど。ユニークな熊さんです。
ワークシート化します。
生徒が創作した物語を週末課題の題材に使ったら提出率がアップするかもしれません…。
最後に、「ナオキとエドの冒険」もariaの声で音声化。3分もかからずMP3ファイルが完成。
同じプロンプトでも異なる物語が楽しめる
さて、ふと思ったのですが、全く同じプロンプトで作られる内容の違った物語って一体どんな感じになるのでしょうか。
Copilotで試してみます。
[プロンプト]Copilot
◆中学校の英語の授業用に以下の設定で英語の物語を創作してください。
場所情報：物語の舞台は【西暦2200年の未来】とする。
登場人物：登場人物として【熊のエド】、【男の子のなおき】、【侍】を登場させる。
登場物品：物語に【自転車】を登場させる。
使用文法：必ず【比較】を用いた英文を2文以上含ませる。
使用語数：【300】語程度とする。大幅な増減がないように。
語彙難易：日本の中学生が理解可能なごく初歩的な英語でお願いします。
問題作成：物語について問う【True or False方式】の問題を【5】題作成してください。最後に正解も示してください。
追加条件：次の英単語を必ず使う。＜pretty, earth, banana, dream, library＞
[レスポンス]
The Adventure in 2200
In the year 2200, on a pretty day on Earth, a boy named Naoki and his friend, a bear named Ed, were on an adventure. They found an old library filled with books about dreams and adventures. Naoki loved reading about samurais, and Ed enjoyed eating bananas.
One day, they met a real samurai who was stronger and braver than anyone they had read about. The samurai had a shiny bicycle, which was faster than any other vehicle they had seen. Naoki and Ed asked the samurai to join their adventure. Together, they rode the bicycle through the futuristic city, dreaming of new adventures.
True or False Questions
1. The story is set in the year 2200. (True/False)
2. Naoki and Ed found a library filled with bananas. (True/False)
3. The samurai they met was weaker than the ones in the books. (True/False)
4. The bicycle was slower than other vehicles. (True/False)
5. Naoki and Ed dreamed of new adventures. (True/False)
Answers
1.True
2.False
3.False
4.False
5.True
夢や冒険の本でいっぱいの図書館を発見。そこでなぜかバナナを頬張る熊のエド。なるほど、ちょっと強引な流れも感じますが、これはこれでGOODです。侍が輝く自転車を持っているのも面白い。
さて、Copilotはどんなイラストを描くのかな…。
[プロンプト]
この物語に合う可愛いイラストを描いてください。
[レスポンス]
こんなイラストになりました。お城が浮いていて未来的、しかもエドがしっかりバナナを持っています。
それにしてもAIの能力には驚かされます。
アンドロイドと生活を共にできる日も近いのかもしれません。子どもの寝かしつけに楽しい物語を語ってくれそうです。
AIの力を活かした面白い企画
実は、この数年温めてきた企画があります。
それは「365日で世界48都市を巡る○○旅行記」（仮）です。毎週、世界中の都市から都市を渡り歩く主人公が友だち宛てに英語の手紙を送る（または日記を書く）という設定で、読者（又はリスナー）は、いろいろな国の様子を知ることができる。それを楽しみながら同時に英語も学習できるというもの。
主人公を人間にするか、動物などのキャラクターにするか決めかねています。
地元のAPU(立命館アジア太平洋大学)の学生には留学生も多いですし、日本を去ったALTの中で協力してくれそうな方にも少なからず心当たりがあるので、当初は、ご縁のあったALTや外国の方々に薄謝を用意して原稿執筆をお願いしようと考えていました。
しかし、世界の全地域をカバーするのは難しい。
ワークシート化、そして音声化してリスニングもできるようにしたい。
ここに来てAI関連のサービスが一気に身近になり安価で高度な成果物を作成できるようになり、合成写真や音声の生成も可能になっています。機が熟しつつあるのかなと思っています。
この企画についてご意見やご提案がございましたら、フォームよりご連絡ください。
教材ダウンロード DOWNLOAD
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「お猿のモンキチと黄金の羽根」音声ファイル(by ana)をダウンロードする〔MP3〕
「お猿のモンキチと黄金の羽根」音声ファイル(by christopher/speed:60%)をダウンロードする〔MP3〕
「ナオキとエドの冒険」(ChatGPT)をダウンロードする〔PDF〕
「ナオキとエドの冒険」音声ファイル(by aria)をダウンロードする〔MP3〕
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