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生徒の興味を喚起する「英語科新聞」の発行〔テンプレート付き〕
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「考える材料」としての新聞

語学や外国の文化などの話題を扱ったA3サイズ1枚のシンプルな英語科新聞を発行してきました。

【前任校で取り組んだSDGs関連授業の様子を記した英語科新聞】

英語科新聞の画像
前任校で取り組んだSDGs関連授業の様子を記した英語科新聞。

〔この新聞をpdfで見る〕

例えば、この新聞は、他学年の生徒たちや保護者の方々に授業の様子や生徒の学びを知ってもらうために発行したものです。

最初の英語科新聞は、2000年12月に発行しました。当初は定期試験の振り返りや生徒のコメントなどを扱ったごくシンプルなものでした。以降、ゲストによる記事、映画、クイズ、外国の様子など少しずつ扱う話題の幅を広げました。

この8年間は、学期に2回から3回のペースで英語科新聞を発行しています。

1500から2000字程度の語学や外国文化やSDGsをテーマとしたメイン記事と、ゲストコラム、映画情報、ミニ英会話、旅の写真館、クイズコーナーなどの小記事で構成します。

いろいろな角度から語学や外国文化に親しんでもらいたい、いろいろな話題を示して考えるきっかけにしてもらいたいという気持ちで記事を書いています。

新聞は教室に新しい話題を生み、さらには生徒にとって「考えるきっかけや材料」となります。

「映画情報」や「クイズ」のような小さな記事であっても、そこから大きな興味につながる可能性もあります。

また、教科書の内容に関連したことで、授業の中で伝えきれなかったことを扱うこともできます。特に英語の教科書では奥行きのある題材がたくさん扱われているのでこのような機会は多くなります。

新聞タイトルに思いを込めて

学校名をタイトルに含めて「○○ TIMES」などと命名することが多いですが、ちょっとした思いを込めたネーミングもアリだと思います。

2004年は島の学校に勤務していたのでIsland Timesとしました。このときの生徒の一人は後に世界一周の旅へ旅立ちました。

生徒に問いかけて一緒にタイトル名を考えるのも面白いでしょう。

これ以外にも、虹と言えば、チャップリンの「You'll never find a rainbow if you're looking down.」という言葉も印象的。

これ以外にも、虹と言えば、チャップリンの"You'll never find a rainbow if you're looking down."という言葉も印象的。

英語科新聞で実際に扱ったコラムやコーナーの例

メイン記事の他によく載せているのは、ゲストコラム、映画情報、ミニ英会話、旅の写真館(トラベル・フォト・ギャラリー)、クイズ・コーナーなどです。

いくつか実際の例を簡単に説明します。

記念品付きクイズ/QUIZ AND PRIZE

クイズ・コーナーでは、語学や外国文化についての比較的簡単なクイズを出題して、教室などに設置した英語科ポストにて「答え」を受け付けます。

英語科ポストの画像
インクの空き箱で作った英語科ポスト。

正解者の中から抽選で記念品を贈ります。先生方が挑戦することもあります。

記事よりクイズを楽しみにしている生徒もいて、辞書やインターネットを駆使して正解を追い求めます。

記念品は、海外の文具や雑貨で、これもやはり外国への興味の布石としたい思いで選んでいます。

東南アジアの山岳少数民族の手作り雑貨や台湾の誠品書店の文具が人気です。

<実際のクイズの例>

それぞれの文字は曜日の頭文字。答えはTWT。

他にもQUIZ & PRIZEのクイズをご覧になりたい方は次の記事もご覧ください。

ミニ英会話

英会話集や英会話日めくりカレンダーなどを参考にして、身近で便利な英語表現を紹介するコーナー。

シンプル英語表現の画像
シンプル英語表現の例
シンプル英語表現の画像
シンプル英語表現の例

映画情報

洋画は実際の英語の音や海外の様子を疑似体験できるもっとも手っ取り早い方法のひとつです。

中学生が家族と一緒に楽しめる内容で私自身が面白いと感じた映画を紹介しています。

記事をきっかけに家族で見たと報告してくれた生徒も多数いました。

日本語字幕版が望ましいですが、吹替え版であったとしても良質の映画が生徒の情操に与える影響は価値大でしょう。

映画情報の画像
映画情報の例

 

夏休みや冬休みの際には、字幕版の洋画を見て聞き取れた英語表現や感想を記録するを課します。映画を選ぶ際に「映画情報」を参考にする生徒は多いです。

選りすぐりの報告書を英語教室などに掲示して感想を交流させることで新しい会話が生まれます。

旅の写真館/TRAVEL PHOTO GALLERY

2006年の生徒アンケートで3年生の女子生徒が書いた「先生が旅行してきたところの話をのせて。外国のこと知りたいけん」という要望がきっかけで始めたコーナー。

1枚の旅行写真と300字程度のエッセーで旅の一場面を取り上げて紹介する記事です。

このサイトの「旅の写真館」は、ほぼこちらからの転載です。

石鹸細工の写真
海外で撮影した写真から生徒の関心を惹きそうなものを選ぶ。

 

今では海外旅行の際、コラムのことを考えながらカメラを持ち歩いています。

このコラムの文章だけは、あえて「である調」にして雰囲気を変えています。

△□ゼミナール

他の英語の先生にお任せしたコーナーで、△□の部分は、担当してくださった先生の名前です。

毎回、英語のことわざをひとつ選んで紹介するコーナーでした。一例を紹介します。

記事の画像
校内の英語部会で分担してもOK。

ALTの先生による英語エッセーや手紙文

ALTには、自国の文化や風習、日本での生活、週末や休暇に訪れた場所などについて簡潔な英文でエッセーをお願いするといいでしょう。

帰省先から手紙を書いてもらっても楽しそうです。「ここ○○では、△□な感じでクリスマスを過ごしています」という感じで。

時事英語やSNS英語などで使える英語表現も学べる「太田光のつぶやき英語」というテレビ番組をご存知でしょうか。著名人のSNSの英語コメントを材料に学ぶ番組ですが、実用的かつ興味深い内容で見ごたえがあります。

ALTの先生方のSNSでのつぶやきを新聞に転載して、英語表現などにフォーカスするコーナーも面白そうです。(もちろん許可をもらったうえで。)

いずれにしても、必要に応じて字数や使用する文法などを具体的に指定して執筆をお願いすれば、生徒にとってより良い読み物になりそうです。

質問コーナーを設けることも考えられます。

生徒たちは、ALTの先生とより積極的に会話を楽しむようになるでしょう。

ゲストさん、いらっしゃい!

事前に提案して、毎号順番で校内の先生方に英語や外国について書いていただいた年もありました。

外国人との交流経験や自身の海外旅行での経験について綴ってくれた先生方が多かったです。

生徒の希望で、他校の先生にお願いしたこともありました。

多忙な学校で、他の先生方に余計なお願いをするのは心苦しいのですが、趣旨を理解してくださった先生方は快諾してくださいました。

季節に合わせた記事やコラム

クリスマスやハロウィーンなどの季節行事に関する記事は喜ばれます。

クリスマス・カードに使う表現集の記事画像
クリスマス・カードに使う表現を紹介する記事。
映画紹介の画像
クリスマス・シーズンにピッタリの映画「ホーム・アローン」を紹介。

英語科新聞を読んだ生徒の感想(2016-2019)

・いつも映画情報を最初に読みます。映画の紹介を見ると必ず見たくなります。速攻TSUTAYAです。
・外国に興味があるので、外国の話が出てくるとワクワクしながら読みました。アジアの子どもたちの笑顔が最高です。
・台風の話(台風に名前がある)がおもしろかったです。塾で友だちに自慢しました。
・外国の風景の写真がいいです。なんとなくですが、いつか自分がそこを旅行するときのことをイメージします。
・新聞を読んで英語劇を思い出しました。傑作すぎて思い出し笑いしました。来年もアレをお願いします。
・クイズが難しくて解けません。でも記念品がもらえるまであきらめずに挑戦します。もっとヒントをください。
・3年生のパムさんとの授業がうらやましいです。スゴロクまでしてる。
・今月の新聞を読んで決心しました。今年は出ませんでしたが、来年は、私も英語劇に出ます!
・もう3回もクイズに正解したんですが、抽選で当たらないんです!ほしいのは香港のドラゴンのペンです。
・異文化に興味がわいてきました。先生、ミャンマーには行かないんですか。
・私も早く修学旅行のスペシャルミッションに挑戦したいと思いました。記念写真がすごく楽しそうです。
・カラー版の大きな英語新聞がほしいです。記念にするので。
・もっともっと英語を勉強して日常会話は辞書なしで話したい!
・タイのムエタイの記事が読みたいです。先生の感想を書いてほしいです。
・英語劇『新白雪姫』は、1ヶ月も朝練したんですね。何よりそれに驚きました。劇はサイコーでした。
・先生は東南アジア派ですが、私は韓国に行きたいです。
・「シックス・センス」の特集を読んだあとに、もう一回映画を見たんですが、最初より10倍楽しめました。ありがとうございました!
・私より先にいつもお母さんが読みます。
・ベトナムで先生が高級ホテルの近くのボロホテルに泊まった話がうけました。
・最近入荷した台湾の誠品書店の文具、ハイクオリティーですね。狙います。
・「老人と海」読みました!
・英語劇の人が台詞をかんぺきに覚えていることに驚きました。朝練のことを読んで、なるほどなって思いました。
・英語劇に少し興味が出てきました。来年は何の劇ですか。
・新聞のアドレスを使って家で「地雷博物館」の見学をしました。リアルでした。自分が歩いているみたい。
・地雷の写真を見て、日本の不発弾の話を思い出しました。平和は大事です。
・自分の勉強の仕方についてもう一度よく考えてみる!
・また英語スゴロクがしたいです!お願いします!とりあえずSQSは全て暗記しています。
・J先生からの手紙を読んでうれしい気持ちになりました。
・先輩が英語で授業の感想を書いていた。かなりクール。
・新聞の「シックス・センス」のラスト・シーンですが、私は50%理解できました。たぶん。
・毎回、クイズのコーナーが楽しみ。どんな問題が出るのか気になる。
・かぐや姫のことなんですが、先輩の演技力がスゴすぎて感動しました。笑って泣ける劇でした。
・先生の友だちの話ですが、外国にも一生懸命に日本語の勉強をしている人がいるんだと知って嬉しいです。
・英語劇で、トロルが帝とかぐや姫の婚約パーティーに参加したのはなぜか今でもナゾ。
・世界の人口は減っていると思っていました。
・英語新聞のおかげで辞書を使う回数が激増しました。家用の辞書も買いました。
・グーグルマップで調べまくってクイズの答えを見つけました!
・3年生の校内一斉英単語テストの平均ヤバすぎませんか。マジですか。
・映画やドラマの名言や入試で出た面白い問題をクイズに入れてほしい。
・エッセーコンテストの発表がおもしろかったです。いつか自分も賞を取りたいです。
・昆虫の話を読んで変な気持ちになりました。私は、食べない、食べられないと思いました。おいしそうに見えるけど…。
・夢の乗り物の先輩のエッセーがスケール大きすぎでやられたと思いました。今度、冊子も見たいです。
・人が年間に150時間もものを探しているっていうのにビックリしました。

時間とエネルギーを割いて「英語科新聞」をつくる意義

こうした英語科新聞の取組は、それ自体が必ずしも語学力の向上に直結するものではありませんが、興味や探求心のリード線になり得る可能性を感じます。

長い目で見れば、語学学習の内発的動機につながる可能性を秘めており、一定の意義を持つ取組だと考えています。

また、国内外で起こっているいろいろなことを取り上げて話題にすることができるため、子どもの視野を広げることができます。

発行を継続していけば新聞を楽しみにする生徒も一定数出てきます。興味の喚起や学習意欲の向上という点において、そして国際教育の一環として、時間とエネルギーを注ぐ価値は十分にあると考えられます。

教材ダウンロード DOWNLOAD

ベーシックな割付(レイアウト)のテンプレートを載せておきますので、ご利用の方は上書きしながらお使いください。

【JICA教師海外研修の様子を記した前任校で出した英語科新聞(テンプレート用)】

・メイン記事
・5つの小さな記事

テンプレート用英語科新聞の画像
テンプレート用の英語科新聞

〔この新聞をpdfで見る〕

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