「勉強した内容を友だちに教える」と理解が深まる
自分が勉強した内容が本当に自分のものになっているか。それを簡単に確かめる方法があります。それは、誰かにあなたが学習した内容を教えてみるのです。
フランスのジャン=ポール・マーティン教授が提唱した「教えることを通して学ぶ」という手法ですが、相手に言葉で教えることによって自分自身の知識や理解がどれほど確かなものかがわかります。
テスト期間になるとみんなで一緒にテスト勉強をする場面があります。つまずいている友達がいたら積極的に教えてあげましょう。上手に教えられたら、それはあなたが本当に内容を理解していることを意味します。
あなたの記憶の定着にもプラスになります。
相手に正しく伝わるように教えるには、自分自身が正しく理解している必要があるからです。
「教えるつもりで勉強する」だけでも効果あり
『Learn Better ― 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』という著書の中に興味深い一説があるので引用します。
心理学者のジョン・ネストイコが行った実験では、これから人に教えると信じ込まされた被験者グループの方が、これから試験を受けると思った被験者グループよりも学習成果が高かった。ネストイコによると、この利点は人に教えるつもりだった被験者のほうが教材により豊かな形で取り組んだところにある。実際に教える経験をしたかどうかは関係ない。
『Learn Better ― 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』著者:アーリック・ボーザー
つまり、実際に教えなくても「教えるつもり」で勉強に臨むことでより高い学習効率を期待できるということです。
「これを友達に教えるとしたらどう説明するかな…」と自問しながら勉強を進めることは難しいことではないと思います。視点をひとつ増やすだけです。
この学習法を実践すると、あなたの学習に
「伝えるべき要点は何か、どういうとらえ方や言い方がわかりやすいか」といった視点が加わります。つまり常に「要点をにらんだ」学習になるわけです。
あなたの学びはいっそう深まるでしょう。