プレゼン力強化を狙った学級活動「宝物語り(たからものがたり)」
人前に出て自分の言葉で話すことは大変勇気のいることですが、「ショー・アンド・テル」は最高の自己表現トレーニング法のひとつと言えます。
欧米では定期的にこの「ショー・アンド・テル」が行われており、子どもにとっても定番で人気の活動です。
家庭から持参した自分の持ち物などを見せながら(show)話す(tell)ことから、「Show and Tell」(ショウ・アンド・テル)と呼ばれます。
自分が主役となるショー・アンド・テルの舞台を毎回楽しみにしている子どもも多いと聞きます。学校にもよりますが、テーマはフリーの場合も多く、入念に準備する子どももいれば、週末にしたことや前日の食事のメニューなどについて語る子どももいます。
小学生の頃から定期的にこのような訓練がなされることを考えると、国民性の違いもありますが、プレゼン能力に長けていることにも頷けます。
日本でも、帰学活の「1分間スピーチ」などはよく聞かれますが、工夫して仕組まないと内容の薄い取組に終わってしまうことが少なくありません(自戒の念を込めて)。
子どもたちがわくわくしながら待ち遠しく感じるという本場の「ショー・アンド・テル」の活動をうまく学活に取り入れることができれば、効率的で効果的な活動になるのではないかと考えました。
「宝物語り(Show and Tell)」の具体的な取り組み方法
実施方法は簡単です。クラス内で発表の順番を決めて定期的に、プレゼンの場の設定をするだけです。
曜日を設定すのも一案です。例えば、「水曜日は『宝物語り』の日」といった感じです。
最初は、テーマについて例を示すなどしながらアドバイスします。
プレゼンの概要を「宝物語りシート」に記入させ教室に掲示することをおすすめします。
シート中央の写真スペースには、本人のイラストや発表している姿の写真をプリントして使ってもOK。
教室での会話の種が増え、本人の思い出にもなるので一石二鳥です。
最後に、この活動には押さえたい3つのポイントあります。この3つを押さえて、子どもが学校に来る楽しみをひとつ増やしましょう。
① プレゼン後は、必ずクラスメートから質問をさせる
② 発表者の宝物を馬鹿にしたコメントや批判的なコメントを禁止する
(新しく活動を始めるとき、事前にルールを確認して始める)
③ 最後は拍手でしめくくる
「宝物語り」のイメージ
「宝物語り(Show and Tell)」のメリットとデメリット
メリット
●何より自分でテーマ(何について話すか)を選択できる点が最大のメリットです。自分の好きなテーマについて話すため、自ずと「伝えたい」という気持ちが高まります。
この「伝えたい」という気持ちがコミニケーションの原動力なので、この活動によるコミニケーション能力の向上が期待できる。
●自分が伝えたいことを練習するので、自ずと練習のモチベーションも高まる。何度も練習することで熟練度が増す。(動機付け強化)
●自分に興味を持ってもらうことの楽しさや気持ち良さを感じることができる。次第に楽しさを見い出し、次回の活動が楽しみになる。(継続性)
●自分の言葉で考えや思いを伝えるトレーニングになる。(自己表現)
●質問者とのやりとりがある双方向性の活動であり、楽しみながら友だちをより深く知る機会にもなるため、人間関係づくりプログラムに位置付けて戦略的に実施することも考えられる。
<デメリット>
●トラブル回避のために生徒が何を持参するか正確に把握する必要があります。きまりで学校に持って来てはいけないものもあるでしょう。貴重品やゲームなどの場合は事前に学年主任や管理職の許可を得たほうが無難でしょう。
●盗難や破損のリスクがあります。登校後、先生に預けておくなどのルールが必要になることもあります。
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